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追 憶
月夜にかかる橋
灰白の雲

賑やかな日常を溜め息で包む
静かな夜は味方してくれる
まだ居てもいいよ

途方も無い距離で
機体がさらされる低温
触れたその瞬間にこしらえた帯は
彼方の光に呼応する

あの日たしかにワタシは渡った
揺れる吊り橋を越えた

いつかの囁きは繰り返す
押し付けるのはもう止めにして
もう認めなよ

まだ苦くないうちに
飲み干してしまえたらいいのに
振りわけられたリスクはお互い様

受止めもせずに零れることばかり
委ねもせずに失うことばかり
見境なく塗りつぶすために
それが何かを思い出さなくてはいけない

気まぐれに揺れる煙の奥に
この本音が手招きするのがみえた

強い風が吹きぬけ
もたついた低雲を蹴散らした

じき夜が明ける
| - | 23:55 | comments(0) | trackbacks(0) |
衰 雫
募る想いは溢れた
暖かい雫となって

幾重にも重なる絶望と希望の狭間で
すがるような瞳が潤んでいた

どうすることもできなかった

そこから救い上げることも
僅かな温もりを繋ぐことも

単調な作業と化した場面で
重厚な響きが鈍痛を連れてきていた

冷淡な一言は非情な凶器で
優しい子守唄さえ かき消していく

そんな夜に埋もれて
明るい月の眼差しに抱かれて

雫はやがて波紋をこしらえ
水面へと含まれていく
| - | 04:53 | comments(0) | trackbacks(0) |
紫 炎
まどろみがくれた
不思議な地図
紫の温度で綴られた一行に
優しい声が重なる


色を失った日常を
捨ててしまいたくなるんだ
光に満ちた夢の渦に
何度も戻りたくなるんだ

眼を逸らすのはなんでもなく
眼を凝らすのは恐ろしい
撃ち抜かれるのがわかっているから
これじゃまだ足りないんだから

ふらふら歩き回る広場に
もう見知った顔は無い
みんなもう行ってしまったのだろうか
こうしているのはワタシだけなんだろうか

思いつきはそれ以上どうにもならなくて
夢物語だと決め付けて
昔の事をそれらしく語ることは出来るのに

惹かれても焦がれても
知らず知らず傾けてはダメにして
確信犯ではないのです

砕けたら砕けたまま
途切れたら途切れたまま
出処のわからぬ虚しさに潰されて

お伽話は好きですか

待ちくたびれて朽ち果てる
そんな終りは悲しいでしょう
見失うわけにはいかないのです

いつかあなたと向かい合えたその時に
これがワタシだと そう言えるように
じっと見据えて 突きつけられるように

投げつけた幾つかが
この中心へ還ってくるように

| - | 04:33 | comments(0) | trackbacks(0) |
零 度
対極に咲き誇る華
零度の温もりに包まれて




夢から覚めるその間際
ワタシの名を呼ぶ声がした

何故ココニ?
何故ソノママデ?

聴き覚えのあるその声は
淡々と続ける

何故ココニ?
何故ソノママデ?

今のもう一つの在処を
探してばかりいる
幻想の欠片は翼を纏い
許された数時間の空を舞う

悪戯に微笑みながら
気ままな風を操りながら

事の元凶は他でもなく
日常に吸いつけられた振りをした
この脆い生きもので

壊すでも放るでもなくただ側に
じっとしたまま抱いている
価値も半端なその代物を

いつかの夕日にした謎賭けを
記憶の隅へと追いやって

朝の光に引き戻され 深い息をする
その声は低く繰り返す
動きだせと言っている
この現実はまだワタシを置きざりにしてはくれない
差し出されたモノ全部受け取ってくれるらしい

皮肉に微笑う曖昧の海
その深くへ沈めてしまえたら
どんなにか楽だろう
| - | 03:55 | comments(0) | trackbacks(0) |
真 緋
打ち寄せる鐘の音は 遥かより静けさを伝って
あの境を彷徨う影を導く
時が満ちたと告げる


説き伏せたはずの緋色の旋律が
ここで咲いてしまった
迷いもせずに
ためらいもぜすに

こんなにも近くに居るのに
僅かな隔たりを
途方もない距離と暗示をかけて

この全て燃やしたのなら
あなたはみつけてくれるだろうか
ワタシだけを見つめてくれるだろうか

こんな気持ちになれたこと
それがあなたであったこと
それに気が付いてしまった残酷 そして幸福

このまま見送りたくはない

打ち付けて
彩って
明け方に見た夢と終わらせたくはないんだ
| - | 03:36 | comments(0) | trackbacks(0) |
無 題
静かに燻る菫色の炎
目を閉じて なぞった日々にあなたがいた

気が付いてしまえば
あとは楽だった
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| - | 01:52 | comments(0) | trackbacks(0) |
無 題
あと20分足らず
もう立ち上がる番だ
温い風を吸い込む時だ
外はもう強く降ってる
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| - | 01:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
無 題
手をひかれるまま 歩いてた
その強い力を 信じてた


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| - | 01:01 | comments(0) | trackbacks(0) |
会 話 
そうこうしているうちに浮輪が止まった。
とうとう目的の場所へ着いたらしい。


海水と不安とでぐちゃぐちゃなワタシの様子を面白そうに眺めながら、
浮輪から手を離しオレンジのボールの様なものにしがみつき息を整える父。

そこは果てだった。

海水浴場の限界点。
そのブイの位置を目指して、彼はろくに泳げもしない娘を引っ張ってきたのだった。
ローブとブイとで隔てられた海水浴場とその外側、その境で漂う二つの点。
そこから数メートルでも沖に出れば、救助隊が駆けつけてきたことだろう。
そして哀れな親子は、懐かしい陸へと助け出される。溺れて流された人等として。

動揺したまま、しばらくワタシは浮き輪にしがみついていた。
そして静かな海の音が心地よくなってきた頃、さらなる恐怖がやってきた。
ふざけた彼が浮き輪を外してしまったのだ。

ワタシは唐突に、深さもわからぬ紺色の水の中、放り出されてしまったのだった。
『 プールだと思え。いっつも泳いでるべや。』
・・・・・・。
何を言うんだこの人は。
ここは足がつかないというのに。しかも底には、何かが潜んでいるに違いないというのに・・・。

慌てて何度か、飲みたくもない塩水を飲みそうになりながらも、
浮輪と父にしがみついてなんとか浮かぼうとしていた。
そうしているうちに何故か、だんだんと不思議な楽しさがこみ上げてきた。
自分ひとりでこんなところへ来られるわけもないが、
自力でここまでやって来たかのようなおかしな達成感があったのだった。

それから何度か、その類似事件に巻き込まれた。
友達と一緒の時も容赦がなかった。
彼は、その友達もろとも沖まで引っ張っていったのだから。

『 安心したところをっ』
と言いながら、何度もお見舞いするのがいつもの彼のやり方。
その時も例外にもれずそうなった。

安心しなければいいものを、決まってワタシはその手に引っかかっていた。
他人が見たら虐待まがいのその行為だが、ワタシもまんざらではないのを彼は知っていたらしい。

慌てふためく中、たとえ溺れそうになっても彼は必ず助けてくれるのだと、
ワタシどこかで安心しきっていたのだと思う。
でもおそらく、彼がワタシを助けようとするのは、しばらくもがいた挙句に溺れ、
いよいよダメだというときだったろうなと思う。本人にきいてみたいぐらいだもの。

そういう危なっかしいことを、彼はなんでもない顔で平気でやってしまうのだ。
それが彼の楽しみ方だった。

ワタシの友人等は彼を恐れていたような気がする。
特に男の子の場合、
うっかり一緒に居ようものなら手荒な遊びに付き合わされることになる。
『面白いおやじだけど、何をされるかわからない』
きっとそんな感じだったのだろう。
悪戯好きというかなんというか、なんとも暴れん坊な人だったなと思う。

気が付くとワタシは浮き輪を持たずに海に飛び込むようになっていた。
ゴーグルをして( 父はゴーグル無しでもみえると言ったが、目が悪くなるからと母に止められた)足のつかない場所まで行き、それまで恐怖がうごめいていた水の底へと自ら潜っていけるようになった。
今となっては考えられないことだが、これも彼の影響だったんだと思う。

釣り、潮溜まり、バーベキュー。
海の思い出は尽きることはない。

今でもとりわけ海が好きなのはこの記憶のせいなのだろう。

| - | 01:54 | comments(0) | trackbacks(0) |
会 話 
ワタシは海が好きだ。


海には父とのたくさんの思い出があるから。
彼と行く夏の海が一番好きだった。

小学校へあがる前の頃は、浮輪をして波打ち際で遊ぶだけの海水浴であったのだが、
数年経ち、浮輪で足のつかない場所まで行けるようになった頃、
彼のある部分に火が着いたらしい。

波間に漂うワタシの浮輪が急にぐぃっとやられた。
みると父がニヤニヤしながら、浮き輪に付いている紐を引っ張っていたのである。
不意をつかれて困惑するワタシに少しも構うこと無く、無言で立ち泳ぎをしはじめた。

父は、ワタシを沖まで連れて行こうとぐいぐいとしていたのである。
混み合う盛りの海水浴場、どんどん遠ざかっていく砂浜、周りにはもう人が見当たらない。
逆らえないほど強い力。
怖い・・・。
『おっ、お父さんっ、どこまでいくの?もう帰ろうよー。深いよぉ。怖いよぉ。』
それでも父は涼しい顔でまだ沖を目指している。

ワタシはもう半ベソだ。足元が冷たい。
さっきまでの海とは違うものがこの下にいる・・・。そう思うと終わりだった。
海の底から立派な牙を持った怖いものが狙っているような気さえした。
時たま足先を撫でる嫌な感触が、どうしようもない絶望をもたらした。
助けを呼ぼうにも誰の姿もありはしない。
波の音と父の呼吸音しかきこえない世界は、ますますワタシの不安をかき立てていた。

この一大事に、
他人の振りをしてのんびり飛び去る海鳥が憎らしかった。


会話Δ愨海

| - | 01:53 | comments(0) | trackbacks(0) |
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